第7章「砂漠の国インディ」

 

ここはゴーランド王国の東に存在するインディ砂漠

リナたちは聖水を求め、インディ砂漠のオアシスを目指す。

リナ「ふふふ、太陽の日差しが前身にあたって気持ちいい♡」

スタン「暑い...暑苦しい…砂漠に来るのは初めてだからな…」

リナ「暑い?私は全然平気よ!」

スタン「君が涼しそうな格好してるからそう言えるんだ…。」

リナ「だったらそんな圧ぐるしいローブなんか来てないで私みたいな恰好したらどう?」

スタン「おい、ひどいぞ!僕にそんな恥ずかしい格好させるつもりか⁉」

リナ「いや、違うの!ローブだけ脱げばいいってのに…!」

スタン「分かったよ。脱げばいいんだろ?」

こうしてスタンはローブを脱いだ。

スタン「ふう、これで少しは涼しくなったかな…ってまだ暑い...。」

リナ「うーん、どうしよ…!」

...と、二人が暑さに悩んでる間

ゴゴゴゴゴゴゴ...

リナ「な…なんなのこの音...!?」

スタン「いや、地面が動いてるぞ..。」

すると地面から、リナの身の丈ほど大きなサソリが地面の中からぼこっと現れた!

リナ「ふああアアっ!!!サソリィ!!!」

スタン「ただのサソリじゃない!あれはサンドクラブ!まさかこんなデカいなんて…!」

リナ「ふあっ!!!近寄らないでー!えーい!!!」

スパッ!!!

サンドクラブ「ギシャアアア!!!」

するとサンドクラブは真っ二つになって死んだ。

リナ「ふう...怖かった…」

スタン「相変わらず大げさだな…でもサンドクラブは猛毒を持ってるから一撃で倒せなかったらヤバかったぞ。」

リナ「ふう...また出て来たら嫌だ…だから私を守って...!」

スタン「もう、それだから女は...!」

そしてリナが半分に進むとまた地面から

ゴゴゴゴゴゴゴ...

リナ「今度は…なんなの!?」

スタン「またあのサンドクラブじゃ…!」

リナ「違う!今度は足元が…ふああ!はやくここから逃げよう!」

スタン「ちょっと、腕引っ張るなって…!」

すると突然地面の砂が渦を巻きながら吸い込まれていった。

リナ「ふあっ!!地面が吸い込まれてる!!!」

スタン「あれはまさか…!」

「ゴアアアアアアア!!!」

そう、地面が蟻地獄の様に吸い込まれていたのだ。

そしてそのアリジゴクの中央に不気味そうに顔があった。

スタン「あれは...巨大アリジゴクを造る生きた地面アントヘルだ!」

リナ「そんな...あれが蟻地獄!?一体どうすればいいの⁉」

スタン「とりあえず...真ん中を攻撃するしかない!でも土属性だからヘブンスパークは効かないぞ!」

リナ「分かってる!でも一体どうやって攻撃すれば...!?」

スタン「土属性は水か風に弱い。君の場合は風で吹き飛ばせばいいんだ!」

リナ「うんわかった、ありがとうスタンくん!!アリジゴクなんて吹っ飛ばしちゃえ!

風の魔法『真空のテンペスト』!」

ビュウウウウウウウ!!!

リナが放った竜巻はアントヘルの中央へ舞い、竜巻は砂嵐に代わっていき、アントヘルは弱った。

アントヘルゴホッ...ゴホッ...」

スタン「いいぞ!あとは僕に任せろ!水の魔法『リバイアサンストリーム』

ザアアアア!!!

するとスタンの魔法により巨大なとぐろを巻くような水流により、アントヘルはずぶぬれになった!

アントヘル「ゴアアアアアアア!!!」

そしてアントヘルは断末魔を出してただの地面になった。

リナ「やったぁ!!!勝ったあ!!...ってあれ?アントヘルの中から何か出てくるみたい…」

スタン「ホントだ…まさかアントヘルの本体じゃ…!」

するとアントヘルがいた地面の中から、黄色いターバンを被った一人の肌の黒い男が出てきた。

ターバンの男「ブハっ!!!一体何が起こって...!?」

リナ「ねえ、あなた大丈夫!?」

スタン「もしかしたら…君がアントヘルの本体か!?」

ターバンの男「アントヘルの本体だと...?失敬な…!...我はアントヘルに飲み込まれていたのだよ...!」

スタン「なんだ、ハハハ!アントヘルの中から出てきたからてっきしアントヘルの本体だと思ってたよ。」

ターバンの男「だから我はアントヘルではない...インディ村の僧侶ラジン=シンドゥなのだよ…。」

リナ「ラジン?すごい名前ね…私はサン・ミルド村のリナ=アップル。」

スタン「そして僕はウィッシュワーツから来たスタン=マルフィーさ。」

ラジン「そうか、ずいぶんと遠くから客が来るものだ…ところで...インディ村に用はあるか...?」

リナ「あ、そう!実はこの砂漠のオアシスにある聖水を探してるの!」

ラジン「聖水か…実は我も水を求めている...このままだと...我は干からびて死ぬ...」

リナ「ああ、いけない!早く水筒の水を!」

するとリナは水筒を取り出し、水をラジンに分けた。

ラジン「ああ...かたじけない…もう少しで我は干からびるところだった…」

リナ「どういたしまして。(水筒持ってきてよかった…)」

ラジン「そうだ、お礼に良い所へ連れて行ってあげてしんぜよう。」

リナ「ふえ!?もしかしてオアシス!?」

ラジン「そのオアシスの真ん中のインディ村はご存知か?」

スタン「ええ!?こんな砂漠のど真ん中に町があるの!?」

ラジン「そうさ、そこには水や食料がいっぱいある。なかでも一流のカレー屋があるのだよ。」

リナ「カレー!?じゅるり...」

スタン「砂漠のカレーか…きっとうまいんだろうな…じゅるり。」

リナ「それじゃあぜひとも連れて行って!!!」

ラジン「さあ、ついて来るが好い。今度今のような怪物が出てきたらこの我が仕留めてくれる。」

二人「はーい!」

 

すると二人はラジンの案内でインディ村へやってきた。

そこは、古代遺跡のような砂漠の民族が暮らす村だった。

リナ「ふあ...!凄い場所…!なんか古代遺跡みたい…!」

スタンこんなところに町が...!?」

ラジン「さあ、ついたぞ。ここがインディ村だ。砂漠の中だから遠くから人が訪れぬから少々さびれてるが...」

すると突然二人のお腹がぐーっと鳴った。

リナ「私お腹すいた...くすん」

スタン「僕も…ゴーランド王国でなにも食ってないからな…。」

ラジン「それではこの村のカレー屋にご案内しよう。」

二人「やったー!」

こうしてラジンは、二人をカレー屋インディカレーに送っていった。

店員「いらっしゃいませ!ご注文はどうでしょうか!?」

ラジン「それではインディカレー3丁頼んだ。」

店員「はい!」

すると3人はテーブルに座った。そして店員はお冷と共に3丁の

プリンの様にお皿に盛り付けられた真っ白つややかなご飯とランプに入ったカレーを一人一人に配った。

店員「お待たせしました!インディ村名物のカレーです!」

リナ「ふあ…いい香り...!」

スタン「魔法学校で食べてた給食よりうまそうだ...!」

ラジン「さあ、遠慮なく一口食べてみるのだよ。」

二人とも「はーい!ではいっただっきまーす!!!」

すると二人はランプに入ったカレーをごはんにかけ、スプーンですくって一口食べてみた。

すると...

リナ「ふあーっ、すっごく辛い!口から火を吹いちゃう!!でも柔らかいビーフやごろっとした野菜が

カレーのスパイスにマッチしてて美味しい…。」

スタン「本当だ...かなり辛いけど美味い…これが本物のカレーの味か…。」

ラジン「どうやらカレーの辛さのすばらしさも伝わて来ただろう。

この激辛カレーこそ真のカレーの味なのだよ。

これがインディ村に伝わってきたスパイスだ。」

リナ「そうなんだ…だからこんなに辛いんだね。でも私辛いの慣れてますから…」

スタン「でもこの辛さはちょっと…水!ごくごく...」

リナ「もう、辛さになじんでる私に負けるなんて男らしくないね。」

スタン「そりゃ辛すぎるのはごめんだわな!」

ラジン「流石によそ者はこのカレーの辛さに馴染めぬな…。さあアップル殿、マルフィー殿、

食べ終わったらもう少しこの村を探検しよう。」

二人「はーい!」

こうして二人は空腹を待たし、ラジンと共にインディ村をもう少し探検することとなった。

リナ「そういえばラジンさん気になってたんだけど...。」

ラジン「どうした、アップル殿?」

リナ「どうして右目開かないの?しかも傷跡ついてるし一体何があったの?」

ラジン「それは我が幼いころ棚にぶつかった際に落ちてきた槍が刺さってしまい片目を失ったのだよ。」

リナ「ふええ!?そんなことがあったの!?

スタン「ええ!?ヤバいじゃねえか!!!死ぬだろ普通!!!」

ラジン「でも命は取り留めたので心配無用なのだよ。」

リナ「そうなんだ…でもこの村、雨降らないのかな…?」

ラジン「そうだ、このインディ村は以前は沢山雨が降る村だった…

その雨のおかげでこの村は砂漠の真中ながらも活気あふれていた。

しかし今はヴァストローデが目覚めてから雨が一滴も降らなくなっているのだ…

…ほら見たまえ、この村は少々枯れかけて住人も減ってきてるのだよ、」

リナ「そんな...もしかしたらあのヴァストローデが雨を奪ってしまったの...!?」

ラジン「我の予知が本当ならば...もしヴァストローデを封印すれば再び雨が降るかもしれぬのだよ...。」

リナ「そうなんだ…つまりヴァストローデを倒せば...!」

ラジン「ならば我も仲間にいれたまえ、さすれば貴殿らの力になれる。

我の予知は貴殿の歩む道がこの村を救うための道を導いている...」

スタン「おい、どうすんだ?こいつ仲間になろうとしているぞ?」

リナ「私は大丈夫よ!だって旅に仲間はつきもの!ではラジンさん!お互い頑張りましょ!」

ラジン「かたじけない...そういえば貴殿ら聖水を求めオアシスを目指していたのだな?

我々は雨が降らなくなったその日にはその

唯一水があふれだすオアシスから水を吸収せねば生き伸びたのだよ。

しかしオアシスにはオアシスの守護者のゴーレムがいる。

奴はオアシスから水を取ろうとするものを襲撃するのだ。

だから我々は命を懸けて村へ水を運んでいるのだ。」

リナ「そうなんだ…でもオアシスの水を独り占めにするなんて…許せない!

だってオアシスの水はみんなのものだもん!

だって幼馴染がヴァストローデに刺されて…その邪気を消すためには

この砂漠のオアシスにある聖水が必要なの!貴方と私達が力合わせればゴーレムなんて怖くないもん!」

スタン「あ、そうだった!オアシス探してたの忘れてた!」

リナ「もう、ボケはやめてよ!」

ラジン「では我がオアシスへ案内して進ぜよう。たとえ化け物が出ようと、

我の師匠譲りの槍さばきがあれば敵ではない。」

リナ「それじゃあお願いね、ラジンさん!」

ラジン「任せたまえ、貴殿らの運命は我にかかっている」

スタン「本当に大丈夫か…。」

こうしてリナたちは砂漠の国の男ラジン=シンドゥと共に、

雨が降らず枯れかけたインディ村とカイトを救うために聖水を求めオアシスへと向かっていった。

この先何が待ち構えているのか…!?

前の章へ 次の章へ

戻る

inserted by FC2 system